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Web会議用のヘッドセット「Anker PowerConf H700」の2週間使用レビュー | OpenCommとの比較

2022年2月9日

ヘッドセット難民として、Shokz製の骨伝導ヘッドセット「OpenComm」に落ち着きかけていましたが、Anker製の初ヘッドセット「PowerConf H700」を購入して、2週間ほど使用してみましたので、レビューします。

Web会議で困ること

 TeamsやZoomなどのWeb会議で困ることとしては、大きく以下の3点が挙げられると思います。

  1. オフィスで、Web会議/電話をしている人が近くにいて、ついつい声が大きくなる&相手の声が聞き取りにくい
  2. 自宅で、Web会議中に生活音(家族の声、テレビや掃除機の音など)が相手に聞こえてしまう&相手の声が聞き取りにくい
  3. 会議相手のマイク性能が悪いのか、声が聞き取りにくい

上記の「3」については自分ではどうしようもないのですが、「1」と「2」については、自分の工夫次第で改善できます。

ヘッドセットに求めるもの

 Web会議で使用するヘッドセットあるいは、スピーカー・マイクを工夫することで、前述の「1」と「2」は改善することができます。自分の場合は、周りに迷惑をかけずに対処可能なヘッドセットを選択し、色々と試してきました。一般的にヘッドセットに求められる基本的な機能は、以下の2点だと思います。

・こちらの声がクリアに伝わる(=自分の周囲の音声を拾わない)
・相手の声がクリアに聞こえる(=自分の周囲の音声が気にならない)

OpenCommの良かった点・イマイチな点

 この基本的な部分で十分な性能・機能を有しているものを探して、Shokz製(旧:AfterShokz)の骨伝導ヘッドセット「OpenComm」に2020年11月に出会い、約1年間使用していました。「OpenComm」はShokz製のハイエンドモデル「Aeropex」にマイクを付けて、音声通話に特化したものです。

https://greenfunding.jp/focal/projects/3860/

良かった点

  • 長時間バッテリーで丸一日のテレワークにも耐えられる
  • 耳を塞がないので、長時間のテレワークでも疲れにくい
  • ノイズキャンセル付きのブームマイクで、自分の声が相手に届きやすい

イマイチな点

  • 耳を塞がないので、周りの音が大きいと、相手の声が聞き取りにくい場合がある
  • 充電には専用ケーブルが必要
  • 長時間付けていると、振動する部分(耳とこめかみの間)が、こそばゆい

 上記の「イマイチな点」の1点目の「周りの音が大きいと、相手の声が聞き取りにくい」について、ノイズキャンセルイヤフォン(AirPods Proや、Bose Quiet Comfort Earbuds)を同時につけて対処していたのですが、慢性的に外耳炎を繰り返していたので、長時間ノイズキャンセルイヤフォンをつけるのは厳しい状況でした。
 そこで、ノイズキャンセル付きのヘッドセットとして、ブームマイクの付いた「Jabra evolve2 85」の購入を検討していたところ、Ankerからノイズキャンセル付き・ブームマイク付きの「PowerConf H700」が、「Jabra evole2 85」より安価な価格で販売されるとのニュースを見て、購入しました。

Anker PowerConf H700について

 詳細スペックは、Amazonなどの商品案内を見ていただくとして、骨伝導ヘッドセット「OpenComm」との違いとして惹かれたのは、スピーカー部が「アクティブノイズキャンセリング」となっている点でした。

 単品(本体のみ)と、充電スタンド付きの2種類が販売されていますが、自分は「充電スタンド付き」を購入しました。「OpenComm」はコンパクトなので、モニターに引っ掛けたり机の上に置いても邪魔にならなかったですが、写真から想像するに「OpenComm」より大きく、ちゃんとした置き場所があった方が良いと思ったため、「充電スタンド付き」を選びました。

Anker PowerConf H700を実際に使用してみて

 骨伝導ヘッドセット「OpenComm」と比較しつつ、「PowerConf H700」の特徴を紹介したいと思います。

スピーカー性能

 「PowerConf H700」を購入した一番の理由であった「アクティブノイズキャンセリング」ですが、完全にオープン状態の「OpennComm」とは異なり、オンイヤーのイヤーパッドだけで耳が塞がれるので多少の音はシャットアウトでき、アクティブノイズキャンセリングをOnにすると、更に周りの音が聞こえにくくなります。
 とは言っても、ノイズキャンセル性能はそれほど強くなく、「Bose Quiet Comfort Earbuds」を10点満点とすると、「AirPods Pro」が9点、「PowerConf H700」は5点くらいに感じました。またAirPods Proなどと比べるとホワイトノイズも気になりますが、Web会議が始まれば気になることはありませんでした。
 僕の感想としては、こちらの「アクティブノイズキャンセリング」は期待したほどではなかったけれど、周りがうるさい時は「あった方が聞き取りやすい」ので、買って良かったと思えるものでした。

Anker公式ホームページより

マイク性能

 Teamsのテスト通話で、録音した時の音声を「OpennComm」と「PowerConf H700」で比べたところ、多少「PowerConf H700」の方がいいかな、くらいでした。Web会議の相手からは「ヘッドセット変えた?」とは言われなかったので、大した差ではないのかもしれません。
 しかし、「PowerConf H700」の方が、ブームマイクが長いので口元に近く、物理的に条件が良いのは「PowerConf H700」の方です。

 ちなみに、「PowerConf H700」は通常のBluetooth接続と、付属するUSBドングルによる無線接続の2種類がありますが、僕が使用したのはUSBドングルによる無線接続です。USBドングルはPCからはサウンドカードとして認識されますが、おそらくUSBドングル〜「PowerConf H700」はBluetoothによる接続と思われます。

Anker公式ホームページより
ブームマイクの長さ比較
ブームマイクの長さ比較

装着感

 「OpennComm」では長時間(1.5時間以上)のWeb会議でも痛くなることはありませんでしたが、「PowerConf H700」はオンイヤーであるためか、1時間過ぎる頃から耳が痛くなり始めました。イヤーパッドは、そこそこ厚みがあり、低反発素材のような感じですが、「全く痛くない」ということはありませんでした。
 また、痛みよりも気になったのが「OpennComm」の時には全く感じなかった「蒸れ」です。普段、オーバーヘッドホンを使っておらず、慣れていないだけなのかもしれませんが、この「蒸れ」だと2時間くらいが限度かな、と思いました。

イヤーパッド

「OpenComm」はネックバンド型なので、「PowerConf H700」のヘッドバンド部分がどんな感じになるか不安要素の一部でした。「PowerConf H700」のヘッドバンド部分には、イヤーパッド同様に柔らかい素材が付いています。こちらに関しては長時間つけていても、頭頂部が痛くなることはありませんでした。

ヘッドバンド部分

その他

 「OpennComm」には無い機能で、便利だと思った機能を紹介します。

マイクを上げるとミュートになる

 「OpennComm」でマイクをミュートする時は、Web会議の画面上でミュートボタンを押す必要がありましたが、「PowerConf H700」はマイクを水平以上に上げるだけでミュートになります。
ミュート時はスピーカーから「Muted」と音声が流れ、マイクの先端部分のLEDが赤く光るので、状態が分かります。

Anker公式ホームページより
ミュート状態だと、マイク先の赤色LEDが点灯
ミュート解除の状態だと、マイク先の赤色LEDが消灯

充電スタンドがある

「OpennComm」で充電する時は磁石のついた専用ケーブルを使用していました。USBケーブルのコネクタ部分を差し込む必要はなく、これはこれで楽でしたが、「PowerConf H700」は充電スタンドに置くだけなので、さらに充電が楽になりました。充電スタンド・本体側に充電端子があり、接触させるだけです。充電スタンドが無い場合は、USB-Cケーブルを使って充電することになります。

充電スタンド
本体側の充電端子とUSB-Cポート

マイクは左右どちらにも変更できる

 「OpennComm」のブームマイクは左側についています。これで困ることは無かったのですが、「PowerConf H700」はブームマイクを回転させることができるため、マイクを左右のどちらにも持ってくることができます。一応、イヤーパッドの上のところに「R」・「L」とマークが印刷されており、ブームマイクはR側に付いていますが、左右どちらでも使用可能です。
 このメリットとしては・・・前述の「蒸れ」が耐えられなくなった時、片耳は耳から外しておく対処が考えられますが、左右に付け替えることで長時間でも耐えられるかもしれません(まだ、やったことはありませんが)。

イヤーパッドの上に「R」マーク。マイクを右側にして使う時。
イヤーパッドの上に「R」マーク。マイクを左側にして使う時。

通話中であることを周りに知らせることができる

 「OpennComm」には通話中であることを知らせる仕組みはありませんでしたが、「PowerConf H700」はマイクの外側(周りから見えるところ)が、通話中は赤く光ります。マイクを使わず音の再生だけの場合は青く光ります。家族に予め知らせておけば、Web会議中に話しかけられることが少なくなると思います。

通話中は赤く光る
音楽再生中は青く光る

Web会議の音声を録音できる

 Anker公式ホームページから、「AnkerWork」というアプリケーションがダウンロードできますが、このアプリケーションと、USBドングルを使用すると、Web会議中の音声が自分の声も含めて録音できます。
 「OpennComm」を使用している時に、Web会議中の音声を録音しようとしたのですが、Windows-PCでは以下の手順を踏まないと自分の声を録音することはできず、またこの手順を踏むと、ヘッドセットのスピーカーから自分の声が遅れて聞こえてしまうので、会議・会話がやりづらく、設定を元に戻していました。
<Windows10での手順>
1. 設定→システム→サウンド
2. 入力デバイスで「OpenComm」を設定し、その下にある「デバイスのプロパティ」をクリック
3. 「関連設定」の下の「追加のデバイスのプロパティ」をクリック
4. マイクのプロパティのウィンドウが表示されるので、「聴く」タブをクリック
5. 「このデバイスを聴く」のチェックボックスをOnにする

Anker公式ホームページより

 ただし、この録音機能は、アプリケーションの問題なのか、僕の環境の問題なのか分かりませんが、自分の声と、他の人達の声のタイミングがズレてしまう問題があります。
 例えば、AさんとBさんと僕、の3人で会議していたとします。
実際の発言は、Aさん→Bさん→僕、という順番で発言していたとしても、このAnkerWorkで録音ファイル(WAVファイル)を再生すると、Aさん→Bさんと僕が同時に喋っている→無音状態、となります。
AnkerWork(バージョン1.5.3)の問題なのかどうか、Ankerのサポートに問い合わせ中です。(今回、初めてAnkerサポートに問い合わせしましたが、対応は大変いいですね)

<追記 2022.2.28>
AnkerWorkのバージョンアップをしたところ(1.5.3 → 1.5.5)、上記の音ズレが無くなりました!

PowerConf H700の良かった点・イマイチな点

 約2週間の使用で、「PowerConf H700」の良かった点・イマイチな点をまとめると以下のようになります。

良かった点

  • スピーカーのアクティブノイズキャンセリングで周りがうるさくてもWeb会議に集中できる(OpennCommには無かった点)
  • ノイズキャンセルマイクで、自分の声が相手に届きやすい(OpennCommと同様)
  • 充電しやすいスタンド付きを選択できる
  • 専用ドングルが付属するので、Bluetoothが使えないPCでも利用可能
  • 専用アプリ(AnkerWork)と専用ドングルの組み合わせで、Web会議の音声が自分の声も含めて録音できる

イマイチな点

  • 長時間つけていると、耳が痛い・蒸れる(OpennCommには無かった点)
  • 通勤で持ち運ぶには大きい(OpennCommより更に大きい)

まとめ

 ノイズキャンセル付き・ブームマイク付きのヘッドセットとしては、Jabra製よりも安価で手を出しやすいと思います。使い勝手としては、もし既に「OpennComm」を購入済で、僕のような外耳炎持ちでなければ、買い替えるほどの魅力は無いと思います。
 「OpennComm」も「PowerConf H700」のどちらかを選べ、と言われたら僕は耳への負担が少ない「OpennComm」を選びます。が、「PowerConf H700」にもいいところが沢山あるので、状況により使い分けしながら使っていこうと思っています。

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