Azure上のサービスを構築するプロジェクトに携わることになり、勉強ついでに「ITIL4 Foundation」の試験に挑戦しました。2022年5月に、無事合格することができましたので、勉強方法から合格までをまとめておきます。
これから、「ITIL4 Foundation」の取得を考えている方の参考になれば、と思います。
ITIL 4 Foundationとは
ITIL 4とは
ITILとは、サービスに関する書籍群です。Wikipediaには、以下のように記載されています。
Information Technology Infrastructure Library(ITIL)とは、ITサービスマネジメントにおけるベストプラクティス(成功事例)をまとめた書籍群。1989年にイギリス政府のCCTAによって公表された。ITILの読み方は「アイティル」、「アイティーアイエル」などがある。ITサービス全体においてデファクトスタンダードとなりつつあり、重要な位置付けとなっている
https://ja.wikipedia.org/wiki/Information_Technology_Infrastructure_Library
ITILにはバージョンがあり、2022年5月時点の最新版は「ITIL 4」となります。
ITIL 4 Foundationとは
ITIL 4の資格体系の中で、一番易しい基礎レベルの資格が「Foundation」となります。
僕が受験したPeople Certのホームページには以下のように記載されています。

勉強方法
「サービス」を利用したことはあっても、開発・設計に関しては全く知らない状態でしたので、基礎の基礎から勉強することにしました。
eラーニングの受講
会社の研修制度を使って、有料のeラーニングを受講しました。名称は「ITIL 4 ファンデーション(試験つき)」です。
名称にあるとおり、このeラーニングを受講すると「ITIL 4 Foundation」のオンライン試験を受けることができます。有効期限は「受講後1年間」でした。
eラーニングのホームページはこちらです。
内容的には・・・残念ながら初心者向けでありませんでした。上記のホームページにある下記のサンプル映像を見ていただくと分かると思いますが、図解よりも文字よりも口頭説明が多く、全く頭に入ってきませんでした。
本の購入
eラーニングを受けた状態では、試験に挑戦することは無謀に思えたので、下記の易しそうな本を購入しました。
タイトルは『ITIL はじめの一歩 スッキリわかるITILの基本と業務改善のしくみ』でした。
これから、購入される方は、新しいバージョンの『ITIL 4の教本 ベストプラクティスで学ぶサービスマネジメントの教科書』の方が良いと思います。僕が購入時には未発売でした。
しかしながら、この本は「サービスとは?」を具体的にイメージするには良かったのですが、問題集ではないので試験対策にはなりませんでした。
問題集の購入
Udemyで講座を探したのですが日本語版は無かったので、ネット上で「何か良い問題集は無いか?」と探していたところ、無料の問題集を見つけました。
『Ping-t』という学習サイトで、有料・無料の問題集があり、ITIL Foundationについては無料でしたので、こちらで問題集を解いていました。
『Ping-t』のホームページはこちらです。

こちらの問題集は解説も分かりやすくて良かったのですが、eラーニングや本で出てきたITIL用語が出てこないことに、しばらく経ってから気づきました。具体的には、以下の用語です。
・サービスバリューシステム(SVS)
・サービスバリューチェーン(SVC)
これらは、「ITIL 4」で新たに定義された用語であることが分かり、『Ping-t』は「ITIL v3」用の問題集のようでした。
そこで、改めて「ITIL 4」用の問題集を探したところ、『Ping-t』と同じオンラインの問題集ですが、無料ではなく有料の『CramMedia』を見つけました。
『CramMedia』のホームページはこちらです。

30日/60日/90日/180日のパッケージが用意されており、僕の場合は一番安価な30日間パッケージを購入しました。
内容的には、解説の分かりやすさは『Ping-t』の方が良かったですし、日本語も分かりにくく(直訳的な)、また答えも間違えている箇所があり、問題集としてはイマイチだったと思います。間違っている箇所は、コメント機能で受講者から「これは間違い」と指摘されているので、そのコメントを参考にした方が良いです。
但し、『Ping-t』とは異なり、ITIL 4に対応した問題となっているので、丸暗記するならこちらの問題集の方が合っていると思います。
また、『Ping-t』は問題数も多いのでやって無駄にはならないと思います。「ITIL v3」と「ITIL 4」の違いについては、下記のホームページを参考にしました。
『最新版ITIL 4を活用したITサービスマネジメント変革とは?|ITIL 4 概要』
https://www.idearu.info/article/system/itil-4-overview#a05
試験準備
試験予約
オンラインで試験を受けることができます。僕はPeopleCertで予約しました。
試験予定日の一週間前に案内メールが送られてきます。試験予定の日程変更も24時間前まで可能です。
試験環境
オンラインで試験を受けるためには、インターネットへの接続は当然のこととして、カメラとマイクのついたWindows、もしくはMacが必要となります。
インターネットは有線接続が推奨されますが、無線接続でも問題ありませんでした。
試験の際は、専用ソフトである「Exam Shield」を使います。
当初、プライベート所有のMacを使って試験を受講しようとしたのですが、「ExamShield」のシステムテスト時の「ネットワークチェック」で75%で止まってしまい、対処方法も分からなかったので、会社貸与のWindowsのノートPCを使用しました。
Windowsの方の「ExamShield」のシステムテストは問題なく完了しました。
しかし、「ExamShield」は頻繁にアップデートしているようなので、試験日の前日か当日の試験前にテストし直した方がいいです。
試験当日
試験開始前のチェックイン
案内メールに記載されている「ログイン」は、試験開始時間の10分前から可能となります。試験直前にログインして何か問題があると焦ってしまうので、僕は時間通りにチェックインしました。
ログインすると、試験開始前に以下の作業を画面上で指示されました。
- 顔写真のアップロード(PCのカメラを使用します)
- 本人証明書(僕はパスポートを使いました)のアップロード(PCのカメラを使用します)
上記の作業後、しばらく待ち状態になります。試験官(僕の場合は日本人でした)の準備が出来ると、以下の作業を試験官との音声でのやりとりで行いました。
- PCを置いた机の周りを写すように指示され、PCのカメラを使って部屋の全景を写しました。また、入り口のドアが閉まっているかどうかも見せて欲しい、と言われ写しました。
- 腕時計の有無が分かるようにPCのカメラを通じて、左右の腕を試験官に見せました。おそらく、Apple Wacthのようなスマートウォッチだったら外すように言われたのだと思いますが、僕の場合は普通の腕時計だったので外す必要はありませんでした。
- 携帯電話は切るかマナーモードにして、手の届かないところに置くように言われました。
試験開始から終了まで
試験官によるチェックが完了すると、いよいよ60分間の試験開始です。
日本語の問題を解いていきますが、英語を機械翻訳したような分かりづらい日本語ではありませんでした(AWSの試験の時は分かりづらい日本語でした・・・)
解答に自信が無い問題は後で見直すことができるよう、画面上で印をつけておくことができました。いったん最後まで解いたあと、全て解答を見直し「もう、これ以上悩んでも無駄」と思ったところで「終了」ボタンを押すと、すぐに合否判定が行われました。
40問の試験で、合格ラインは65%以上(26問以上正解)で合格となるところ、31問正解でなんとか合格できました。
まとめ
試験に合格したから4日後に、PeopleCertからメールが届きました。ほぼ丸暗記の試験対策でしたので、実務で使える即戦力のスキルが身についた訳ではありませんが、合格証を貰えるのは単純に嬉しいものです。挑戦される方、頑張ってください!
